原発ゼロと未来

なぜ原発はゼロにすべきか
その先のエネルギーについて

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2022年3月22日 原発汚染水は海洋放出してはならない  
     

2022年3月22日 原発汚染水は海洋放出してはならない

はじめに

原発汚染水海洋放出は、東電によって言い続けられてきました。2013年には高濃度に汚染された地下水が海洋に流出しており、汚染水タンクからも漏洩していることがわかりました。その問題への対処法として議論に上っていたのです。

原発に反対する人は当然のことながら、保管をきちんとすること、場所の余裕がなくなるなら他に場所を確保して保管するように、言ってきました。漁業者等も当然批判の声を上げました。海洋放出に対しては、県内の21議会の「撤回を求める」意見書が採択されると、時の自公政権は、「関係者の理解なしには、汚染水のいかなる処分も行わない」と約束しました。そして、話し合いの継続という状態になっていたのです。

そういう中、菅内閣の時、海洋放出を行うことが約束を無視して決定されてしまったのです。一昨年の4月でした。

(1)トリチウム汚染水は内部被ばくを引き起こす危険がある

東京電力などは、アルプスによって汚染水を二次処理して様々な放射性物質を取り除き、さらに、残っているトリチウ汚染水も100倍も薄めて放出するのだから安全だ、と言ってきました。

   しかし、それをきちんと調べることを怠っていたことも分かってきたのです。さらに、植物性プランクトンの光合成により有機結合トリチウムが発生し、それが動物性プランクトンに摂取され、生物濃縮が起こります。この濃縮による内部被曝が考慮されていなかったのです。トリチウムが水素として体内に取り込まれた場合、トリチウム結合DNA・RNAとなって遺伝子情報を持つDNAも被曝させるのです。

   トリチウムは体内で水として代謝する場合は10日前後で排出されるとされますが、水素としてタンパク質や糖や脂肪組織などに有機結合型トリチウムとして入っている場合は体内に長く留まり、内部被曝を引き起こす放射線を出し続けるのです。特に、トリチウム結合脂質は体内に残存する期間が長い為、脂質成分の多い乳房でのがんの発生が多いことが疫学的に報告されています。トリチウムがごく低濃度でも人間のリンパ球に染色体異常を起こすことは、放射線遺伝研究の専門家の中井さやか氏によって、すでに1974年に学会に報告されているのです。

   日本では、食品・飲料水のトリチウムに関する基準は有りません。しかし、海外では飲料水の基準が設定されているのです。日本はその危険を見ていないのです。

(2)放棄された政策は、中止すべき

さて、トリチウム汚染水の海洋放出の方針は、菅内閣が「関係者の理解なしには汚染水のいかなる処分も行わない」という国民に対する約束を反故にするものでした。また、この決定は、関係者との話し合いや説明会の中で行われたのではなく、状況とは無関係に強権を持って決定されたのです。

ところが、菅内閣は日本学術会議への6名の任命拒否の違憲で強権的なやり方やコロナ対策の無為無策、それと対照的なコロナ下での五輪強行などによる感染爆発を引き起こした責任を取り、政権を投げ出しました。彼の政策や行政行為は否定されたのです。

であるなら、彼の政策の一つであるトリチウム汚染水海洋放出も、市民の意見と運動によって追い詰められ、否定されたと言っていいでしょう。つまり、彼が決定した海洋放出も撤回すべきなのです。でも、そうなっていないのが大問題なのです。

  • 国民との約束を破ることを行政はすべきではない

    一昨年4月に、東電などが海洋放出の動きに出た時、それに呼応して菅内閣も海洋放出の方針を出しました。国民との約束を公然と無視するなど正常ではありません。そんなことが通るなら、行政の国民の安全、健康、福祉を護り促進するということも疎かになるでしょう。この点でも海洋放出など行うべきではないのです。

 以上のように見るなら、トリチウム汚染水の海洋放出はやってはならないことです。漁業者は、以前から汚染魚の危険や風評被害の点からほとんどの漁協などが反対してきましたし、地元自治体も反対に回っています。そして、上に論じたように、その内部被ばくによる癌などの疾病被害や遺伝子まで絡む人間への被害も知られるようになりました。 それは、単に漁業者への補償に関わる問題なのではなく、それは内部被曝による健康被害をもたらすことを認識すべきなのです。原発汚染水の海洋放出はしてはなりません。

記 原発ゼロへのカウントダウンinかわさき実行委員からの投稿

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