2023.10.8 原発ゼロへのカウントダウンinかわさき 講演会開催

2023年10月8日(日)原発ゼロへのカウントダウンinかわさきが主催する講演会を川崎市総合自治会館ホールで行いました。この時期、多くのイベントが開催されているなか、多くの方々が参加されました。

講演会では、福島原発事故における飯館村の被害を絵本「バチカンへの手紙」にして出版した安藤みちこさんが講演。絵本という新しい視点で福島原発事故を描き、わかりやすく話しされた。
また、京都精華大学名誉教授の山田國廣さんは、ビッグデータから導き出したという原発事故で「首都圏でガンが60万人増えている」を紹介され、さらには独自の研究で突き止めた「テルルの危険性」について熱心に紹介された。新しい角度でのガン急増の提言だったのでは、と思われる。
山田さんの話は難しいところもあったが、確信をついた質問が上がり、丁寧に答えていただいた。

講演会では、8月24日に突如開始された、原発汚染水の海洋放出について、「海洋放出反対」を決議し、関係機関へ海洋放出反対決議文を送ることに決めた。

原発汚染水海洋放出反対決議を読み上げる三嶋共同代表
熱心に聞き入る講演会参加者

【汚染水海洋放出抗議声明】
福島原発「汚染水」の海洋放出に抗議、ただちに中止するよう要請します

 東京電力は、8月24日午後1時から、政府の方針に従って福島第一原発事故により発生したタンク貯蔵汚染水の海洋放出を始めた。今後、少なくとも30年にわたり放出する予定という。

 政府・東京電力は「トリチウム以外の放射性物質は基準値以下になるまで取り除いている」から、「汚染水」ではないと主張するが、真っ赤な嘘である。

 福島第一原発の汚染水には、210種類もの放射性物質が含まれていると想定されるところ、ALPSで減らすことができるのは62種類の放射性物質のみである。海洋放出直前に基準値未満を確認するため測定するのは30種類だけであり、それ以外の百数十種類の放射性物質は測定すらしない。「トリチウム以外ほとんど取り除いた」は嘘で、「ほとんど測定していない」というのが真実である。

  政府は、トリチウムやそれ以外の放射能物質を薄めて流すから安全としている。しかし、海水で薄めても放射性物質の総量は同じである。放出水に含まれる全ての放射性物質の定量確認もないまま多量の放射性物質を福島の海へ流せば、太平洋に広がり、海洋の汚染は取り返しがつかない。

 IAEAは原発推進機関であり、そのお墨付きは安全の保障にならない。海洋放出以外にも他の選択肢はあるが、IAEAの国際的安全基準に合致するとの結論を出した報告書においても他の選択肢を検討していない。アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分では「モルタル固化」して半地下に保管する方式が実用化している。石油備蓄などに使われる「大型タンク」で保管する選択肢もある。また、汚染水そのものを増やさないために現在の凍土壁の外側に、広域遮水壁を設置する必要がある。

 マスコミは、中国の強固な反対を強調しているが、海洋放出を懸念しているのは、アジアの近隣諸国を始めオーストラリアなどが加盟する太平洋諸島フォーラムや全米海洋研究所協会など多数にのぼる。

 そもそも、海洋放出は、2015年の関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないという福島県漁連や全漁連に対する文書約束を反古にするものである。漁業者を始め福島県内農林水産業・消費者の協同組合による共同声明や福島県内自治体議会の海洋放出反対・慎重の意見書、宮城県など周辺自治体から反対意見が表明されているが、地元の声を無視している。

 政府・東京電力の今回の汚染水海洋放出は、とりかえしのつかない海洋環境の破壊をもたらし、日本の国際的な信用を失墜させる。私達は海洋放出に断固抗議すると共に、海洋放出を直ちにやめることを求める。

                          2023年10月8日
                          原発ゼロへのカウントダウンinかわさき 講演会
                          参加者一同

                            

原発ゼロへのカウントダウンinかわさき 講演会動画

2時間26分