「原発60年超へ」閣議決定

老朽原発運転 助長の恐れあり

2023年2月28日
原発の60年超運転を可能にするエネルギー関連の5つの法案を「束ね法案」として、閣議決定し。国会に提出した。

原子力規制委員会が、石渡委員の「安全側への改変とは言えず、法改正の必要はない」との反対意見を受け入れて、いったんは正式決定を見送ったにも関わらず、わずか5日後に多数決決定を強行した背景に、岸田内閣のごり押しがあったことが、これではっきりした。「独立機関」として成立したはずの原子力規制委員会が権力に飲み込まれたという日本の情けない実態だ。

記者会見で、西村明宏環境相は「規制委が分かりやすい説明の準備を進めている」と述べているが、そんなことできるわけがない。

おまけに「追加延長の基準があいまい」なまま進められようとしているため、規制委の石渡明委員が指摘している「審査を厳格にすればするほど、将来より高経年化(老朽化)した炉を運転することになる」のとおり、老朽原発の運転リスクが増大する懸念が拭えない。どころか、間違いなく「事故は起こる」

事故が起こったら、当然、岸田内閣の閣僚は全員責任を問われることになる。もう「勉強不足」で逃げることはできない。

閣議決定に対し、5つの市民団体が、国会内で記者会見し、白紙撤回を求めた。

「束ね法案」とは
エネルギー関連の
 ◆原子力基本法 ◆電気事業法 ◆原子炉等規制法 ◆再処理法 ◆再生可能エネルギー特別措置法
の5本の法案を一括審議させるためのもの。60年超運転の規定は、規制委が所管する原子炉等規制法から削除され、原発推進側の経済産業省が所管する電気事業法で規定することになり、危険性が一層増すことになる。

掲載メディア
・日本経済新聞 2月28日 原発60年超可能に 法案閣議決定、震災後の政策見直し

・東京新聞 3月1日 原発60年超運転へ「束ね法案」を閣議決定…老朽原発への不安は消えないまま

・NHK 2月28日 最長60年の原発運転期間 実質的に延長する法案を閣議決定

閣議決定した第2次岸田内閣の閣僚

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