に投稿 コメントを残す

げんぱつ長屋談義 〈第10話〉

チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故から40年 
いまどうなっている

2026.4.26

大家さん
八っつあん

おうめさん
八っつあん
熊さん
大家さん

熊  早いものですね。チョルノービリ原発事故から40年たちましたよ

大家 あれは1986年4月26日に原発が大爆発して、大量の放射性物質が北半球の広い範囲に降り注いだんだね

うめ チョルノービリ原発がある旧ソ連のウクライナ、ベラルーシでは大勢の人が被曝しましたね

八  あの事故で、当時のソ連のゴルバチョフ書記長は、たった一つの原子炉の爆発に驚き、核は人類の存立を脅かすと、核兵器廃絶を訴えるようになったんですよ。

大家 この事故は、大きな犠牲と引き換えに冷戦終結とソ連の解体、東欧の体制転換をもたらしたんだね

熊  放射性物質を大量にあびて被爆した人はどうなったんでしょうね

大家 原発が爆発した直後に、収束作業のために消防士や軍人、医師らが多数集められ、決死の作業を行ったんだよ。その人たちが急性放射線障害などで、多数亡くなっている。それから20年ほど前の国際がん研究機関の推定者数なんだが、がん死亡者は原発の30km内の高度汚染地域に住んでいた60万人のうち約4000人、旧ソ連の汚染地域に住んでいた740万人のうち約9000人と予測されていたそうだ。

うめ 放射性物質の影響を受けやすい子どもたちはどうだったんですか。

大家 原発事故から4~5年経ったころから、子どもたちの甲状腺がんが急増したんだよ。当時のソ連政府が、事故の発生を隠していたため、その間、汚染された牛乳や野菜を食べた子どもたちが、放出された放射性ヨウ素の内部被ばくで甲状腺がんを発症したんだよ。2000年初頭までに4,000人以上が甲状腺がんと診断されたんだよ。

八  それだけ大勢の子どもたちがガンを発症して、医療は対応できたんですかい

大家 当時のウクライナ、ベラルーシの医療状況はあまりよくなかったらしい。日本からもずいぶん支援に入ったんだよ。
 信州大学の医学部助教授だった菅谷昭さんはベラルーシに入り、5年半にわたって小児甲状腺がんの治療をして、若手医師の育成にも取り組んだんだ。
 諏訪中央病院の鎌田実院長は日本チェルノブイリ連帯基金を立ち上げて、ウクライナやベラルーシに101回も医師団を派遣して小児白血病などの治療を行ったんだ。
他にもチェルノブイリ子ども基金はウクライナとベラルーシの病院などに医療機器や医薬品を支援、被災地の子どものために保養プロジェクト、甲状腺手術後の困窮家庭の子どもの里親制度もおこなってきているんだよ。
もっと他にも支援している人がたくさんいるんだよ

八  へえー 日本人も良いとこありますね。 それじゃ被爆した人はもう心配ないですね。

大家  いや そうでもないようだよ。
 医療支援を続けてきた医師の鎌田実さんは、「チョルノービリ原発事故当時5歳だった子どもは今45歳、今後がんを発症する可能性もある。予断を許さない」。被ばく不安は40年たっても消えることはない。と東電福島第一原発事故と重ねながら、長期にわたってチョルノービリを観察する必要があると訴えているんだよ。

うめ それは福島原発事故と重なりますね。 福島の子どもたちが世界標準の数十倍の甲状腺がんと診断されても、政府は、原発事故が原因ではない。とかたくなに否定してますよね。民主国家であるはずの日本が事故原因を否定して、非民主国家と名指ししていた旧ソ連が事故が原因だと認めている、なんてなんか変ですよね。

大家 そう まったく真逆だね。

熊  ところで、その後、チョルノービリ原発はどうなっているんですか。

大家 40年たっても廃炉のめども立たない状況で、半径30キロ圏内を立ち入り禁止区域に指定、爆発した4号機はコンクリートで覆い、2016年にはその上から鋼鉄製シェルターで覆ったんだ。当然、放射性の汚染土も敷地内に閉じ込めたままなんだ。

八  ええ! 40年たっても廃炉できていないんですかい。それじゃ、福島原発もこれから先25年たっても廃炉の見込みないですね。 
日本政府は,事故は終わったから、原発から30km圏内にある家に帰れと追い立てるし、放射性物質が染みついた汚染土を全国にばらまくと言っていますし、とんでもないことですね。汚染土をばらまいたら危険な放射性物質を拡散するだけですね。各県に汚染土の引き取りの打診をしたら、どこからも引き取り手がなかったというのは当然ですよね。

大家 日本ペンクラブが福島第一原発事故の現場へ取材を申し込んだら許可が下りなかったそうだ。その時中村敦夫さんが福島に行くよりチョルノービリの現状を知るほうが福島の今後がわかると提案して、2012年に中村さん、浅田次郎さんら8名でチェルノービリに視察にいったそうだ。
その時先方から、推定死亡者数が、先に発表された4000人から9000人に変わり、甲状腺手術をした子どもの数は4400人から6029人に増加。当時胎内被曝したこどものうち原発から3kmはなれたところの330人の子どもたちに正常者は一人もいなかった。
という衝撃の事実が明かにされたそうだ、

うめ そうですね。日本では都合の悪いことは懸命に隠す習性がありますからね。取材許可は出さなかったのでしょうよ。事故を経験した先人から学んだほうが、より真実に近づくことができるんでしょうね。 情けないことですけど。

※東京新聞から引用
※チョルノービリ(ウクライナ語)、チェルノブイリ(ロシア語)
※菅谷昭著書 「チェルノブイリ いのちの記録」「子どもたちを放射能から守るために」    書籍紹介ページ
※日本ペンクラブ チョルノービリ視察団記「チェルノブイリ原発の真実「完全に健康な人はほとんどいない」「廃炉まで何十年かかるかわからない」福島第一原発があと25年で廃炉などできるはずもない実態」
※日本ペンクラブ 書籍 「いまこそ私は原発に反対します」 書籍紹介ページ
※国は福島第一原発事故後に放射性物質を除去する「除染作業」で剥ぎ取られた土壌や草木のことを「除染土」と言っていますが、実際は「汚染土」そのもの。国は汚染土を放射性物質の濃度をさげた土を再利用する方針だが、汚染される前のきれいな土に戻るわけではない。旧ソ連(ウクライナ)は汚染土を原発土地内に閉じ込めて拡散を防ぎ、日本では汚染土を全国にばらまいて拡散させる。国民の健康を守るためにどちらの選択がいいのか。

by kazu